美容オイルとは植物由来の天然成分で肌に良さそうといった漠然としたイメージがあります。しかし、劣化が早かったり成分をよく知らないで使うと逆に肌に悪影響を及ぼす可能性も。
ボディーソープにオリーブオイルを入れたら冬の乾燥による肌の痒みがなくなったととあるブログで拝見したのがきっかけで、アルガンオイルやホホバオイルなどの植物油脂に興味が湧くようになりました。調べてみると植物油脂にはいろいろな種類があるようで、オリーブオイルでないとダメなのか?も含め、まとめてみました。
- 植物由来の美容オイルのそれぞれの成分・使い方
- どういう人が美容オイルを正しく取り扱いできるか
まず始めに|植物油脂の取り扱い基礎知識
オイルは酸化したら効果が十分に発揮できないので、
- 蓋はちゃんと閉める
- 開封後1年以内に使い切れるような量を購入する(開封日を書いておくといい)
- 光に当てないでなるべく涼しいところで保管(ただし冷蔵庫に入れると固まるオイルもあるので注意)
以上のことを注意して取り扱う必要があります。
アルガンオイル|肌づくりに最適
アルガンオイルは愛好家が多く人気ナンバーワン、ツーを争っているイメージです。保湿効果が高く、ターンオーバーを促し、髪にもいい成分が入っているので、全身のケアに最適。
一方、冬は固まりやすいので注意が必要です。固まってしまったら暖かい部屋に移動させて自然解凍?がベストですが、どこも寒い場合は手で温めるのがよさそうです。
成分をみていきます。
参考サイト)https://www.nutrition-act.com/b2b-material-arganoil
オレイン酸(皮脂に似た成分 以降皮脂と略します)とリノール酸(酸化しやすい)を主成分に、ビタミンE(ターンオーバーを促す天然の防腐剤)がオリーブオイルの数倍入っているのが特徴です。 ビタミンEがたくさん入っているので酸化しにくいとどのサイトも書いてありましたが、リノール酸が少し気になります(これについて言及している記事が見当たリませんでした)。デルタ7ステロール(頭皮に効果的)という珍しい成分が入っているので頭皮ケアにいいと言われています。
使い方
浸透力を高めてくれるので化粧水前のブースターとして使う方が多いです。そうすることで化粧水を含んだしっとりもちもちな肌が出来上がります。オレイン酸(皮脂)が入っているのでニキビができやすいところには塗布を控えた方がいいかもしれません。洗髪後の髪の毛に馴染ませるとツヤが出て、頭皮をマッサージするとボリュームが期待できます。
ホホバオイル|どこまでも美容初心者に優しい万能オイル
ホホバオイルもその使いやすさから人気ナンバーワン、ツーを争っています。どの肌にもあいやすい低刺激で、保湿効果が高いのが魅力。熱に強く酸化しにくいので、オイルの保管が億劫な方にも手にとりやすいオイルです。とはいえ冒頭に述べた基礎知識は頭の隅に置いといてくださいね。
こちらも冬は固まりやすいので注意が必要です。
成分をみていきます。
ビタミンA(皮膚を健康な状態に保つ)・D・E(ターンオーバーを促す天然の防腐剤)などのビタミン類やミネラルが非常に豊富です。油脂ではなくワックスエステル(肌の弾力や潤いを保ちかつ保湿効果が高い)という成分であることが特徴です。皮脂バランス調整作用があるので自分の肌タイプがわからない方も安心です。
使い方
ホホバオイルそのものが保湿効果を生み出すので、直接洗顔後の顔や髪の毛、手足にに塗布するだけでOKです。頭皮の保湿にはあまり効果がありません。むしろホホバオイルには毛穴の汚れを落とす効果があるので、小鼻や頭皮につけてマッサージをした後洗い流すといいです。
マカダミアナッツオイル|アンチエイジングのオイル
隠れた名品マカダミアナッツオイルは、サラッとしたつけ心地が人気で肌にすぐ入り込むことからバニシング(消える)オイルと言われています。そのためじめじめした季節や汗ばむ季節でも使いやすいです。酸化しづらく、アンチエイジング効果が期待できます。
ナッツ系のアレルギーがある方は使用できないことと、食用と美容のオイルは分けて使わないといけません。
成分をみていきます。
オメガ7のパルミトレイン酸の含有量(加齢とともに減少していく成分)が多く、取り入れるとハリやツヤを与えてくれてアンチエイジングになります。ほとんどの植物オイルには入っていないのでマカダミアナッツオイルの唯一の特徴といえるでしょう。
使い方
サラッとしたつけ心地のため肌や髪の毛に直接塗布できたり、化粧水やクリーム、シャンプーにも混ぜやすいです。混ぜる場合は1、2滴ずつ様子をみながらつけていくといいでしょう。完全なる個人観ですが、ナッツを食べるとニキビができやすい人は顔への塗布は控えた方がいいと思います。私がそのタイプで少し怖いので少量を体と髪の毛に使っています。
ラズベリーシードオイル|日焼け止め?
SPF値が28-50、PA値は++と文献がでている天然の日焼け止めと名高いラズベリーシードオイル。ビタミンも豊富に入っているようですが実際はどうでしょうか。
成分をみていきます。
ビタミンE(ターンオーバーを促す天然の防腐剤)が豊富で、オメガ3とオメガ6、ビタミンA(皮膚を健康な状態に保つ)が含まれているので保湿効果がありそうです。しかしリノール酸(酸化しやすい)が主成分ということで、取扱いには気をつけた方がいいかもしれません。
使い方
日焼け止めとして単体で使用するより、ビタミンEが豊富なので、アルガンオイルと同様化粧水前のブースターや、さらさらしたテクスチャーなので化粧水、クリームと混ぜて使ったり、他のオイルと併用して使うのも良さそうです。
オリーブオイル|体の疲れに
料理でもよく使うオリーブオイルは、食用と美容で分かれています。体に塗布する時は必ず美容のオイルを使用しましょう。酸化しにくく、炎症や筋肉疲労に効果があります。
成分をみていきます。
オレイン酸(皮脂)が70%以上含まれているので肌なじみがいいのが特徴です。ただし、保湿をしてくれる皮脂と考えればつける場所に気をつけた方がいいでしょう。例えばオイリーな(皮脂が浮き上がってくる)肌にオリーブオイルをつけると脂まみれになってしまいます。あくまで頭皮含め乾燥していれば効果があります。アルガンオイルには及びませんが、ビタミンE(ターンオーバーを促す天然の防腐剤)も含んでいて、ポリフェノールが豊富です。これは炎症や筋肉疲労に効果があります。
使い方
皮脂が足りていない乾燥肌の人は直接顔や頭皮に塗布できます。ポリフェノールの成分を活かすなら、体の疲れを取ることを意識して、筋肉痛の肌や例えば机の端で打ってしまって痛いところにすり込んだり、ボディーソープに混ぜて使用したりする方が、顔や頭皮につけるよりも効果的です。
まとめ
以上の成分解析から、やはりボディーソープには体の疲れに効くオリーブオイルが良さそうです。酸化もしにくくポリフェノールを含んでいるので体にはもってこいですね。私の場合は結局髪の毛にも使いたかったのでマカダミアナッツを選びました。
植物油脂を調べてみて、天然だから間違いない!というわけではなく、きちんと成分をみて合理的に考え自分が納得した上で使用する方がいいような印象を受けました。面倒ですが、それほど植物油脂とは美容に取り入れるには手軽なものではなく、上級者向けなのかもしれません。
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